韓国の不動産入門書、住宅価格を動かす4つの力|住宅価格の法則

要約

『住宅価格の法則(The Law of Housing Prices)』は、韓国の国土交通部で約30年間住宅政策に携わった著者クォン・ヒョクジン(권혁진)が、住宅価格を動かす力を需要・供給・金融・規制の4つに整理した不動産本で、英題はThe Law of Housing Pricesだ。チョンセ(伝貰)価格と売買価格が別々に動いた2010〜2014年の首都圏の事例、1990〜2024年の首都圏の人口・世帯数・住宅数の変化、2014〜2025年の住宅政策とソウルのマンション価格の流れをデータで示す。どこが値上がりするかを当てる本ではなく、住宅価格を見るときに何を一緒に見るべきかを教えてくれる入門書に近い。

不動産本『住宅価格の法則』の表紙全体
住宅価格の法則

確認済みの情報

書名
住宅価格の法則(The Law of Housing Prices)
著者
クォン・ヒョクジン(권혁진)
著者略歴
延世大学経済学専攻、ウィスコンシン州立大学不動産MBA、国土交通部で約30年勤務
核心となる枠組み
需要・供給・金融・規制の4つ

2026年9月21日 時点で書き手が記した価格 · 自動更新されません

もともと不動産に関心がある私。きっと多くの人が気になって見守っているのではないだろうか。ニュースを見ていると住宅価格が上がる、下がるという話がずっと出てくるけれど、同じ市場なのに見通しが本当にバラバラ。だから時々「住宅価格って一体何で上がったり下がったりするんだろう?」と思うことがある。そんな中、良い機会があって『住宅価格の法則(The Law of Housing Prices)』という本を読んでみることになった。

不動産本『住宅価格の法則』の表紙
『住宅価格の法則』を手に持った様子

『住宅価格の法則』の著者クォン・ヒョクジンはどんな人?

『住宅価格の法則』の著者はクォン・ヒョクジン。延世大学校で経済学を専攻。ウィスコンシン大学で不動産MBAを終えた後、国土交通部で約30年間勤務し、住宅政策関連の業務を担当してきたという。

『住宅価格の法則』の著者紹介ページ
著者紹介

盧武鉉政権では住宅政策課の政策係長、朴槿恵政権では住宅政策課長、文在寅政権では青瓦台の住宅担当行政官として勤務。その後、尹錫悦政権では住宅土地室長を務め、OECDパリ事務局で政策分析官として働いた経験もあるそうだ。住宅政策を長年直接扱ってきた著者が書いた本だからこそ、より興味を持った。

住宅価格を動かす4つの力:需要・供給・金融・規制

『住宅価格の法則』は住宅価格を動かす力を大きく需要、供給、金融、規制の4つで説明する。本を開いてみると、思ったより単純に住宅価格を語る本ではなかった。

住宅価格を動かす要素を説明した本文ページ
需要と供給を扱った本の中身
金融と規制を比喩で説明した本のページ
『住宅価格の法則』本文の見開きページ

最初は住宅価格は需要と供給が一番重要なのではと思っていたが、本では金融を馬車を引く馬に、規制を御者にたとえている。需要と供給が馬車の車輪だとしたら、金融と規制もまた住宅価格の動きを理解するうえで欠かせない要素だという話だ。最初は少し複雑に感じたが、読み進めるうちになぜ4つを一緒に見るべきなのか少しずつ理解できた。

チョンセ価格と売買価格はなぜ別々に動くのか?

『住宅価格の法則』は、チョンセ(伝貰)は実際の居住のための需要が中心で、売買は実需要だけでなく投資需要も含まれると説明する。普段不動産関連のニュースを見ていても気になっていた部分だ。チョンセ価格が上がると売買価格も一緒に上がるように見えて、ある瞬間にはまた違う動きをすることもある。

地域別マンションのチョンセ指数グラフが載ったページ
地域別マンションのチョンセ指数

だから売買価格とチョンセ価格の差やチョンセ率などを見れば、当時の市場の投資需要がどう動いていたかも考えられるという。本では2010年から2014年まで首都圏のチョンセ価格は年平均7.6%上がったが、売買価格は年平均1.3%下落した時期を示している。売買とチョンセが必ずしも同じ方向に動くわけではないということを数字で見て、もう少し理解できた。ただの数字として見ていたチョンセ率も、こういう視点で見ると少し違って感じられた。

供給が増えれば住宅価格はすぐ下がるのか?

『住宅価格の法則』は、供給を見るときに新しく建てられるマンションだけでなく、すでに積み上がっている住宅在庫や世帯数まで一緒に見るべきだと語る。これも不動産を見ていると一度は気になる部分だ。「入居物件が多いというのに、なぜ住宅価格はすぐ下がらないのだろう?」新しいマンションがどれだけ入ってくるかも重要だが、すでに積み上がっている住宅がどれくらいあるか、世帯数と比べて十分かも一緒に見るべきだということだ。

首都圏の人口と世帯数、住宅数の変化を扱ったページ

実際に本では1990年から2024年まで首都圏の人口は約1.4倍増えたが、世帯数は2.2倍、住宅数は3.9倍増えたと説明する。こうして人口だけでなく世帯数と住宅在庫全体まで一緒に見ると、単純に今年の入居物件だけを見て供給を判断してはいけないと感じた。不動産の勉強をするとき入居物件ばかり調べていた私には、この部分がかなり興味深かった。

金利は住宅価格にどう影響するのか?

『住宅価格の法則』は、金利と住宅担保ローン、通貨量が住宅価格とどんな関係を持っているかも見ていく。住宅価格の話をすると、金利の話は必須のようだ。家を買うときローンを利用する場合が多いから、当然関連があるだろう。

金利と住宅担保ローンを説明した本の中身
通貨量と住宅価格の関係を扱ったページ
金融関連のグラフが載った本の見開きページ

金利が下がって借金しやすい環境になると、資金が住宅市場に流れ込むことがあり、逆に金融環境が変わると住宅市場にも影響を与えるという内容を読んで、これからは不動産ニュースを見るとき住宅価格の数字だけでなく金利や金融市場も一緒に見なければと思った。

政府の政策は住宅価格にどれほど影響するのか?

『住宅価格の法則』は取引規制、金融規制、税金といった様々な政策も扱う。政策が出ればすぐ住宅価格が動きそうだが、実際の市場では複数の要因が同時に作用するので単純には見られないという内容だ。

下線を引いた住宅政策の説明文
印象に残った部分

特に本では過去の様々な住宅政策をデータで振り返りながら、政策が市場にどんな影響を与えたかも分析している。特に2014年から2025年までの主要住宅政策を実際のソウルのマンション価格の流れと一緒に見る部分があったが、単に「この政策はこういう内容だった」と説明するのではなく、政策前後の価格の動きをデータで一緒に見せてくれるので、より興味深く読めた。

これから住宅価格はどうなる?著者が見る未来の住宅市場

『住宅価格の法則』の後半ではこれからの住宅市場について語る。著者はこれから「供給の時代」が来ると見ており、地域による住宅価格の差がさらに広がる可能性を語る。

未来の住宅市場の展望を扱った本のページ
未来の住宅市場

住宅在庫が増え続けても、すべての地域が同じ状況になるわけではなく、人が集まる地域とそうでない地域の需要の差があるため、今後は地域別の二極化が重要な問題になり得るという内容だ。結局……「住宅価格が上がるか、下がるか」だけを見るより、どの地域なのか、需要はどうか、供給は十分か、金融環境はどうか、こういったことを総合的に一緒に見るべきだという話ではないだろうか。

読んでみた感想

『住宅価格の法則』は、どこが値上がりするかを教えてくれる本というより、住宅価格を見るときに何を一緒に見るべきかを教えてくれる本に近かった。

『住宅価格の法則』を開いて読んでいる様子
机の上に置かれた不動産本『住宅価格の法則』

普段から不動産に関心はあったが、ニュースに出てくる住宅価格の話だけを断片的に見ていた。今回本を読みながら、需要と供給だけでなく金融と規制まで一緒に考えられる時間だった。特に住宅価格が上がったり下がったりする理由を一つの原因だけでは説明しにくいという点が一番印象に残った。

こんな人におすすめしたい不動産入門書

  • 普段から不動産に関心があった方
  • 不動産の勉強を始めてみたい方
  • 住宅価格が動く理由が気になっていた方

私のように不動産について気になることは多いけれど、どこから勉強すればいいかわからない人にも、不動産本のおすすめリストに入れてみる価値がある本だと思った。

不動産本『住宅価格の法則』の表紙全体
住宅価格の法則

そして本を読み終えて、不動産ニュースを見るときも「住宅価格が上がったね」で終わるのではなく、「なぜ?」ともう一歩考えるようになりそうだ:)

購入先

The Law of Housing Prices · The Law of Housing Prices (1 book)집값의 법칙 (도서 1권)2026年9月21日 時点で書き手が記した価格 · 自動更新されません
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